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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 13 Sep 2013 18:00:00 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.16
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 


【もくじ】
1..... リレーエッセイ
嶺北特別支援学校
校長 高野 幸嗣 先生より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


9月に入り、ずいぶんと涼しくなってきました。
昼と夜の気温差があるので、
体調を崩さないように心がけていきたいですね。

秋といえば
食欲の秋、読書の秋とさまざまですが、
スポーツの秋とも言われているように
運動を始めるにも
とても良い時期です。

運動不足になると
その分体調も崩しやすくなるので、
ぜひ「秋」の今こそ
運動習慣を見直してみてはどうでしょうか。

それではメールマガジンスクラムネット、16回目のリレーエッセイは
嶺北特別支援学校
校長 高野 幸嗣 先生より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】

嶺北特別支援学校
校長 高野 幸嗣


縁あって、福井に来て35年目になります。
現在、嶺北特別支援学校の校長をしている高野といいます。


神戸生まれで、
大学は大阪教育大学の言語障害児教育教員養成課程卒業です。

大学1回生の時に、
LD学会等で有名な竹田契一先生が助教授で着任され、
以来大変お世話になりました。
もっとも卒業研究は発達心理学が御専門の村井潤一先生の研究室で、
重症心身障害児との関わりの発達を研究テーマとしました。

大学卒業後すぐ福井に来たのですが、
教員採用試験になかなか合格しないので、
福井大学特殊教育特別専攻科(当時)で勉強させていただき、
そのお陰か、
現在の勤務校でもある嶺北養護学校(当時)に勤めることができました。

その後、
特殊教育センター(現特別支援センター、以下「特教セ」)へ
異動したのですが、
そこでの経験が
今の自分に大きな転機を与えたと思います。
特教セでは、
教育指導と巡回指導の係を4年ずつ経験しました。


巡回指導というのは、
嶺北地区の小学校等から要請のあった
「気がかりな児童」に対して学校を訪問して行う指導の形態で、
他県にはない先駆的な取り組みでした。
当時は、
小中学校における「通級による指導」が
まだ制度化されていない時期で、
まして
指導者の側が巡回するという仕組みは目新しく、
県外の研修会で巡回指導のことを発表すると、
大変高く評価され、
東京都からも照会が来るほどでした。
もっとも
この頃の対象児は情緒障害児、言語障害児としており、
発達障害という概念はまだ十分浸透していない時期でした。


また当時、
特教セの階下の県小児療育センター(現子ども療育センター)には、
平谷美智夫先生がおられ、
医学的な事柄について御指導をいただくとともに、
一緒に新しい事柄について勉強もさせていただきました。
特に、
福井大学の三橋美典先生と一緒に始められた
福井LD研究会をお手伝いさせていただき、
毎月のように症例検討や
夜遅くまで学習会を行ったりした経験が
その後の自分に大きな力をくれたと思います。


その後、
平成8年に県教育庁指導課に異動し、
特殊教育の担当をさせてもらいましたが、
福井県ではまだ養護学校の適正配置が課題となっていて、
ちょうどその担当になることとなり、
当時、
話題になり始めていた発達障害のことが気にかかりながらも
養護学校開設準備の業務に埋もれていってしまいました。


教育庁に足かけ10年7か月籍を置いたのですが、
3回出入りをしましたので、
期間的には平成8年から平成21年と14年間となります。

その間、
南越養護学校の新設、
奥越特別支援学校の基本構想策定などの担当をしました。

発達障害についてもっと担当したかったのですが、
今年ようやく開校した奥越特別支援学校にいたる
養護学校の適正配置の業務が結構重く、
自分としては十分役割を果たせなかったというのは言い逃れでしょうか。


現在は、
特別支援学校長会のまとめ役をしながら
発達障害とも若干関わっています。
具体的には、
特別支援学校の地域におけるセンター的役割というものです。

簡単に説明しますと、
これは学習指導要領等でも位置づけられているものですが、
予算的には県の発達障害児教育推進事業の一環として行うもので、
特教セが調整役としてセンター的機能推進研究協議会を開催しながら、
県立11校の特別支援学校を地域割りし、
県内全ての小中高等学校の
気がかりな児童生徒(発達障害児者を含む)について
相談等を行うものです。


本校でも、
地域支援部の5人の特別支援教育コーディネーターを中心に、
学校周辺の市町の発達障害児等への教育相談として、
今年度は相談受理件数135件(昨年比27%増)、
延べ相談件数378件(昨年比29%増)の
相談を行っています。

巡回指導とまではいきませんが、
20年ほど前に自分が特教セで行っていたような相談活動を、
今、各特別支援学校が力を入れて行っています。

その件数は、
長野県と並んで全国でも高い数に上っています。
他県に比べ、
児童生徒数が少ないのにも拘わらず、
相談の実件数が多いということは、
福井県としては自慢できることではないかと思います。

ただ、相談の中身が重要で、
就学相談のようなことについては、
自分の学校のことを思い浮かべながら十分相談できるのですが、
あまり経験がない、
通常学級での支援や
特別支援学級での相談については、
難しいこともあると思われます。
相談者は
自分のよく似た経験から想像力を働かせてアドバイスをすることになり、
それが課題となっております。


さて、話は変わりますが、
今年S.E.N.S(センス)の会福井支部会を立ち上げました。

S.E.N.Sの会とは、
日本LD学会会員および
特別支援教育士(S.E.N.SおよびS.E.N.S-SV)の有資格者で
構成される全国組織です。

日本LD学会が設立されて20周年に当たる昨年11月に
福井支部準備会を開催し、
今年本部から正式に支部結成が承認されました。

活動目的は、
「県内の会員相互のきめ細かい情報交換や研修により
県内における発達障害児者等への支援の力を高めること」ということですが、
会員には
特別支援教育士資格更新の研修ができるというメリットもあります。

今年度の役員は、
会長に平谷美智夫先生、
副会長が三橋美典先生、
事務局長が私です。
現在、
会員は医師、大学教官、心理士、ST、
教諭(小・中学校、特別支援学校)特教セ指導主事、
相談機関カウンセラー等職員の26名となっております。

活動計画は、
講演会やケース検討会が中心で、
隔月の第3(2)木曜
夕6時半〜約2時間の日程で計画しており、
これまで、
平谷こども発達クリニックを会場に2回の研究会を開催し、
それぞれ30人ほどの参加者がありました。

自分としては、
この会は20年前の福井LD研究会の再結成のような思いがあります。
そして、
この会が特別支援教育に関わる先生方
(特にセンター的機能を果たそうとする
特別支援学校の相談担当の先生方)への
エビデンスに基づく指導について寄与できればいいなと考えております。

会への参加希望者は事務局までお問い合わせください。


エッセイならぬ、宣伝みたいで申し訳ありませんでした。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:集中力が長く続かない園児がいます。
最初のうちは先生の話を聞いてくれるのですが、
しばらくすると話を聞かずに
別のことに興味をもったりするので困っています。

どのように対応すればよいのでしょうか?


A:小さなお子さんだと集中できる時間が限られてくるものです。
出来る限り園児が集中できている間に
大切なことから順に説明をしていったほうがよいでしょう。

話す内容があらかじめ決まっているようなら、
絵カードなどを用いて、
興味を引くようにしたほうがよいでしょう。

中には言葉だけでは理解が追いつかない園児もいますので、
絵カードを用いながら、
なるべくゆっくりと園児たちの表情を確認しながら
お話を進めていきましょう。


特定の園児について困っている場合は、
仲の良い友達に協力を頼んでもよいでしょう。

先生より友達に向かって
「○○ちゃん(友達の名前)はお話を聞くのが上手だから、
先生がお話を始めたら△△ちゃん(本児の名前)に向かって、
一緒にお話を聞こうね、
と声をかけてほしいな」などと、
友達から声をかけてもらうのも効果的だと思います。


説明の際は、抽象的な言葉ではなく、
なるべく具体的でストレートな指示の言葉を使いたいものです。

例えば
「お家に帰る時間ですよ」と説明をするだけでは、
本児としては「だから何をすればいいのだろう」と
考えることになります。

できれば
「お家に帰る時間だから帰る準備をしましょう」とか
「帰る準備をしますので、
帽子をかぶって、カバンと水筒をもってください」などと
具体的に何をすればよいのか伝えます。


お話をちゃんと聞けた場合はたくさん誉めてあげて下さい。
人間だれしも誉められて成長するものです。
たとえ本人が無反応でもたくさん誉めることは必要です。
そのうえで
「次からは自分で行動できるともっとお利口さんだよ」などと
誉め言葉にワンポイントアドバイスを添えてみましょう。
その言葉がけが向上心にもつながるはずです。


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【セミナー・研修会などの案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。


○福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
医療・教育と発達障害(嶺北会場)
主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
日時:平成25年9月21日(土) 13:30〜16:30 
場所:福井県立大学 交流センター3階 多目的ホール
講師:石飛信先生(福井大学病院精神科医)、
松村千里先生(勝山市成器西小学校教諭)
参加費:資料代として500円
※詳細と申込用紙は
スクラム福井HP 研修会のご案内 をごらんください。


○「にこにこクラブSUNFISH スイミングフェスティバル」 
主催:にこにこクラブSUNFISH
日時:平成25年9月29日(日) 10:00〜15:00
場所:福井市東山健康運動公園
講師:齊藤直氏(NPO法人アダプティブワールド代表)
午前:5周年記念公演
「知的障がい・発達障がい児者が運動を享受できる環境づくりにむけて」
午後:実技ワークショップ、水中運動
参加費:500円
持ち物:水着、水泳帽子、ゴーグル、タオル、飲み物
定員:50名
締切:9月22日(日)
お問合わせは にこにこクラブSUNFISH 市岡 まで
0776-26-3787


○福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
医療・教育と発達障害(嶺南会場)
主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
日時:平成25年10月6日(日) 13:30〜16:30 
場所:敦賀市福祉総合センター あいあいプラザ
講師:小坂浩隆先生(福井大学子どものこころの発達研究センター)、
小杉真一郎先生(福井県教育庁高校教育課特別支援教育室)
参加費:資料代として500円
※詳細と申込用紙は
スクラム福井HP 研修会のご案内 をごらんください。


○「発達障害−親にとっての障害の受容とは−」 
主催:福井県こども療育センター
日時:平成25年10月19日(土) 13:30〜15:30(受付13:00〜)
場所:福井県立看護専門学校
講師:中田洋二郎先生(立正大学心理学部教授 臨床心理士)
定員:100名
締切:9月27日(金)
お問合わせは 福井県こども療育センター 医療課 田辺 まで
0776-53-6570


○保健医療に関する研修会
講演−大人の発達障害 専門外来を開設して−
シンポジウム−大人の発達障害の支援−
主催:公益財団法人 松原病院 
日時:平成25年10月19日(土) 13:30〜16:30 
場所:福井テレビ4階大ホール 
講師:加藤進昌先生(昭和大学附属鳥山病院 病院長) 
座長:山森正二先生(松原病院 院長)
コーディネーター:山田淳二先生(松原病院 副院長)
シンポジスト:小坂浩隆先生
(福井大学子どものこころの発達研究センター特命准教授)
シンポジスト:清水聡先生(福井県立大学学術教養センター教授)
シンポジスト:福田晋介(スクラム福井センター長)
お問合わせは 松原病院管理部 まで
0776-22-3717


○「私たちのことを知って! 
−発達障害のある子どもの素敵な生活をつくる、支える−」 
主催:NPO法人発達支援センター敦賀すくすく療育会 
日時:平成25年10月19日(土) 14:00〜16:30 
場所:若狭湾エネルギー研究センター第1研修室 
講師:村中智彦氏(上越教育大学大学院学校教育研究科・准教授) 
資料代:500円 
お問合わせは 敦賀すくすく療育会 まで
※詳しくは スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 をごらんください。


○「理解と支援に活かすWAIS-?、WISC-?」
主催:福井県臨床心理士会
日時:平成25年11月4日(月・祝) 12:30〜15:00
(11:45〜受付開始)
場所:フェニックスプラザ小ホール
講師:大六一志先生(筑波大学)
参加費:無料
当日〜15:00までは一般公開
当日15:15〜からは臨床心理士のみ対象として事例検討
申込は 所属・氏名・連絡先を記載の上、メールにて
mori@jindai.ac.jp


○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。

主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

11月6日(水):福井(県立図書館)
11月7日(木):大野(スクラム奥越事務所)
11月8日(金):敦賀(あいあい)
1月15日(水):福井(未定)
1月16日(木):勝山(すこやか)
1月17日(金):敦賀(あいあい)
3月5日(水):福井(未定)
3月6日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月7日(金):敦賀(あいあい)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜16:30の
フリータイム制となっております)
※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。

○福井県自閉症支援トレーニングセミナー’13 
主催:社会福祉法人 足羽福祉会
日時:平成25年11月16日(土)〜11月17日(日)
場所:足羽福祉会本部研修センター(福井市栂野町20-7)
講師:重松孝治氏(川崎医療福祉大学)
講師:岩井栄一郎氏(京都市発達障害者支援センターかがやき)
講師:長谷川直子氏(敦賀市立子ども発達支援センター)
定員:20名
参加費:10000円
お問合わせは 足羽福祉会 事務局 渡辺 まで
0776-41-3120
※くわしくは案内をごらんください


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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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