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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 1 May 2015 18:00:00 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.36
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学医学部附属病院
子どものこころ診療部
小児科医 水野賀史 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


5月の
ゴールデンウィークは
憲法記念日、
みどりの日、
こどもの日と、
国民の祝日が続きますね。

祝日といえば、
新しく制定された
「山の日」を
みなさんご存じでしょうか。


祝日法が改正されて、
平成28年から施行されます。

そこで、
平成28年から
8月11日は山の日として祝日となるのです。


内閣府のホームページによりますと、
山の日には、
山に親しむ機会を得て、
山の恩恵に感謝する、と
記載されています。

普段から山には
親しみを持っていきたいですし、
祝日まで待たずとも
今すぐ山を楽しみたい気持ちもありますね。

この暖かい時期に
みなさんも
キャンプやハイキングなどに
ぜひ出かけてみては
いかがでしょうか。



それではメールマガジン スクラムネット、
36回目のリレーエッセイは

福井大学医学部附属病院
子どものこころ診療部
小児科医 水野賀史 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】
福井大学医学部附属病院
子どものこころの診療部
小児科医 水野賀史



平成27年4月より、
福井大学医学部附属病院の
子どものこころ診療部で
外来診療をすることになった、
小児科の水野賀史(みずのよしふみ)と申します。



私は名古屋で生まれ、
名古屋で育ち、
大学を卒業するまで名古屋に住んでいました。


医師になって、
愛知県内の総合病院で
小児科医として10年間働き、
この4月、友田明美先生の下で
「子どものこころ」や「発達」についての
診療、研究をするため、
家族共々福井に引っ越してきました。

福井に住むのは初めてで
不安も少々ありますが、
新しい土地での生活を
とても楽しみにしています。



このエッセイの中で、
私が「子どものこころ」「発達」を専門にし、
福井に来ることになった経緯について
お話をさせていただきます。



私は野口英世の伝記を読んだことをきっかけに、
幼いころより医師を志しました。

そして、
未来ある子どもたちのために、
熱意をもって真剣に診療する小児科医の姿に憧れ、
また、
まずは身体をしっかり診ることができる医師になりたいと考え、
小児科医になりました。


小児科では
基本的には身体の病気を診ることが多いのですが、
時に「こころ」の問題が
症状に関与していることもあります。


身体の病気の場合、その症状によって、
必要あれば検査を加え、診断をより確実なものにし、
その診断に従って治療を行っていきます。

例えば、
高熱と咳があれば、
時に肺炎を疑って
胸のレントゲン写真を撮影したり、
血液検査をしたりして、診断をします。

そして、
その上で抗生剤を選択し、治療を行います。


原因に即した根本的な治療なので、
抗生剤の選択が間違っていなければ
治療効果は明らかです。



それに比べると、
「こころ」の治療は一筋縄ではいきません。

その理由は、
病気の原因がはっきりしておらず、
その原因に対する治療が行えていない、
ということにあると考えています。


現時点における医療では、
「こころ」は目に見えるものではないため、
診断は主観的であいまいであり、
その診断をより確実にする検査も確立されておらず、
治療においても
原因に即した根本的な治療が行えているとは言えません。

実際に「こころ」の診療を行う中で、
困っている子どもたちのために十分にできていない、という
無力感が私の中で徐々に強まっていきました。

その無力感から来る
なんとかしたいという思いが
この分野を専門とするきっかけに
なっていたのかもしれません。



一方で、「こころ」は
「脳」という非常に高度な
身体的な臓器の働きを
反映したものであることは間違いありません。

科学は進歩し、
生きている脳の中身や働きを
実際にみることが可能になってきました。

機能的MRIという画像技術は
その一つです。

私は福井のこの地で、
機能的MRIを使いながら、
「こころ」と「脳」の関係を探ることで、
「こころ」の問題の原因究明の一助とし、
診断、治療に役立つような研究ができればと考えています。


しかし、
医療の力だけで
「こころ」の問題が解決できるとは到底思えません。

医療だけでは
限界があるのはあきらかです。

教育、福祉、行政などを含め
多職種の方々と「連携」をとって、
一緒になって支えていくことが不可欠だと思いますし、
しかも、
それが幼い頃から行われ、
こどもの「発達」を支えていくことが大切です。


みなさんと話し合い協力しながら、
子どもたちのためになれることを強く願っています。

一生懸命がんばりますので
よろしく御願いいたします!



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:4歳の男児です。

家ではトイレに入ることを嫌がらず、
いつも登園前に排泄をすませていたので
気が付かなかったのですが、
園内のトイレで便意をもよおしても入れません。



お母さんから
「今日は“うんち”が出ていません」と言われ、
気にかけてトイレに連れて行こうとするのですが、
男子用小便器では平気でおしっこができるのに
園内の和式や洋式のトイレには、
入ろうとしません。
なぜなのでしょうか?     
               
                                   

A:排便を自宅で済ませてくるお子さんなら、
普段から気にかけることは少なく、
トイレに入ることができていると
なおさら問題として考えることもない事が多いですね?


いくつかの理由が考えられます。

1.	感覚的な問題
洋式の場合なら
便座におしりをつける時の感触などがあげられます。
最近は便座が暖かくなり、
その温度が感覚的に嫌だという事もあります。

または、
トイレは比較的に
自宅でも北側にあることが多く、
トイレ全体のひやりとした感覚が苦手だという事もあるようです。


また、
薄暗くて怖い、においがダメだという事もあるようです。

そんな時は、
トイレの明かりを変えてみたり、
お子さんのお気に入りのキャラクターの絵を貼ってみたりして、
トイレの雰囲気を変えてみることも
アイデアの一つかもしれませんね。

温度に過敏さがあるお子さんなら、
温度の調整や
おしりの皮膚が便器に直接触れないよう、
貼り付け式のシートを
便器に貼ってみることも
方法かもしれません。


2.	生活リズムの問題
睡眠などの生活リズムが
安定していかなったり、
好き嫌いが激しく
食生活が不規則だったりするお子さんの場合は、
腸の働きが弱く
便秘がちになり
なかなか出ないことで
じっと便座に座っていられないこともあるようです。

こんな時は
生活のリズムを整えたり、
水分をこまめに補給したり、
体を動かすこともいいかもしれません。


また、
便座に座った際に
足の裏が床から離れ
宙ぶらりんのままだと、
いきむ際に力が入りにくいので、
床に台を置いて
お子さんの足の裏を
ちゅうぶらりんにせず、
台にしっかりつけられるようにすることも、
些細なことですが
いきみやすくなります。

最後に、
支援者から誘導するのは、
子どもさんにとっては“させられること”になるかもしれないので、
お子さんの頑張りを認めてあげることも大切です。

お子さんのトイレサインを見逃さないように心がけ、
タイミングよくトイレ誘導ができたら
“ちゃんと、トイレに行けたね!えらかったね”と
褒めてあげて下さい。 




◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成27年
5月13日(水):敦賀(あいあいプラザ)
5月14日(木):勝山(すこやか)
5月22日(金):福井(福井市保健センター)
6月18日(水):越前(越前市健康福祉センター)
6月30日(火):鯖江(アイアイ鯖江)
7月8日(水):敦賀(あいあいプラザ)
7月9日(木):大野(スクラム奥越事務所)
7月10日(金):福井(福井市保健センター)
9月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
9月10日(木):勝山(すこやか)
9月11日(金):福井(福井市保健センター)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



○講演会「大人の発達障がいを考える」
主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
日時:6月13日(土)13:30-16:00
場所:敦賀市福祉総合センター あいあいプラザ
講師:小林信篤 先生
(社会福祉法人 横浜やまびこの里)
定員:120名 
参加費:500円(資料代として)
お問合わせは スクラム福井 まで
0776-22-0370
※詳しくは
スクラム福井HP 研修会のご案内
をごらんください。




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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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