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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 6 Nov 2015 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.42
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 



【もくじ】
1..... リレーエッセイ
滋賀医科大学小児科学講座
小児発達支援学講座兼務非常勤講師
臨床心理士 岡田眞子 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


11月になりました。
食欲の秋のせいか、
食べ物のことばかり考えちゃいますね。

寒い時期になってくると、
頭のなかに「お鍋」のレシピがでてきますね。

最近はいろいろな具材が
セットになっていて、
しかもカット済みで販売されていたりするので、
仕込みの必要もなくて簡単ですね。

簡単に味付けができる「おダシ」も
種類豊富で迷ってしまいます。

ご家族やお友達と
お鍋を囲むのが楽しみですね。


それではメールマガジン スクラムネット、
42回目のリレーエッセイは

滋賀医科大学小児科学講座
小児発達支援学講座兼務非常勤講師
臨床心理士 岡田眞子 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】

滋賀医科大学小児科学講座
小児発達支援学講座兼務非常勤講師
臨床心理士 岡田眞子



はじめまして

昨秋
友田教授よりお招きを受け、
今春4月より月1回
福井大学医学部附属病院子どものこころ診療部に
診療の一部及び
心理士の皆さんへのスーパーヴィジョンを担当するために、
滋賀県より参上しております。

福井県とのご縁は古く、
20年程前に
それまで京都大学故河合隼夫教授率いるグループが担当されていた
福井県主催自閉症(以下ASD)児親子夏季合宿を、
平谷美智夫先生のお勧めで担当させて頂いた事が、
当県で発達障害児への関わりの契機となりました。

その後
県立病院小児科療育相談担当を経て、
平谷こども発達クリニック開設以来、
昨夏まで療育と保護者グループカウンセリング等を
月1回程度担当して来ました。

今日では
聞き馴染んだ用語となった「特別支援教育」の
まさに黎明期に
福井周辺でこの事に関心を持つ医師、教師、心理等が
診療終了後のクリニックに集い
症例や文献紹介等を学ぶ会で熱く意見を交した記憶が甦ります。

今回
本執筆の機会を与えられましたので
ASD児との出会いと臨床の記憶を述べます。


   
<初めての出会い>
それは突然衝撃的な形でやってきました。

卒後勤務開始直後の
大学研究所から都内某大学相談室へ研修に行った時の事です。
室から小走りに出てきた女児が目前で、
ぴたと足を止め近づいてきたと思うと
いきなり脚をぺろりとなめ始めたのです。

驚く私に気を留めることもなく
手を掴みそれも舐め上げて
両手で顔を掴みくんくんと嗅ぎ、
最後に手首を軽くがぶりと噛んだのです。

思わず声を上げて手を引くと
初めて顔を見てにっと笑い
部屋に引き上げて行きました。

見た目の愛らしさに似つかわしくない行為に
私の方が驚き
たじろいでしまったのでした。

担当教官に女児の説明を受け、
その時に初めて
ASD幼児は相手を触り舐め嗅いで探索、認知するのだと理解。
今思えば
外界へのアタッチと
それを取り入れる手立て=回路が定型児とこれ程違うことを
啓示の如くに私は教えられたのでした。


この出来事はその後多様な特性を示すASDの方達と
初めてお会いする時の自身の戒めとして根付きました。
「自分には分らない知覚感覚を持つことを忘れないでいよう〜」と。


「発達障害」は
脳の神経回路と
それを担う器官の全般的かつ複合的情報処理機能が
定型発達とは異なることをより的確に示す
「神経発達障害」(DSM-5  APA 2013)と改称されました。

診断定義に新たに挙げられた知覚認知の特異性は
自閉症児療育・支援臨床への扉を押しあけてくれた
あの初体験を鮮やかに想起させてくれました。



<適応への手立て>
33年前
当時人口8万程の市で
乳幼児健診後の発達障害ハイリスク幼児への
母子通所療育事業に参加した際に、
療育支援の必須項目を定型発達の筋道を追うことだけでなく、
彼ら自身が持つ外界との接点や
自他境界の関所となっている知覚感覚回路を
十分に刺激活性化するものに、と
水泳指導や感覚統合、乳幼児発達研究の専門家の力添えを得て
試行錯誤しました。


ASD児をこども集団に馴染ませる指導より、
特定の快刺激場面を用意することで、
場所=意味のある刺激と連動して覚えてもらい、
家以外にも快適な体験を広げうるのでは、と考えました。

更に出来ないことを出来るようにする(bottom up)ではなく、
今使えている手段を自発的に駆使する事で、
自身の目的的行為を達成する機会とする(top down)の視点を入れ、
発達障害凸凹(杉山登志郎)の人が
外界関与の意味を見つける機会を提供することだ、と仮説してみました。

この発想は
その後研修で訪問した
英国自閉症協会設立のシビル・エルガー自閉症専門学校の
体験的理解学習カリキュラム、
米国NC州立大学精神医学部Division TEACCHで実践されていた
自閉症の人の文化を尊重する生活支援にも通じる支援と理解の
基本理念に通じることを実感して行きました。


ASDの人達との
四半世紀を越える発達臨床で得た「違い」への支援アプローチは、
ここ数年間
思春期を越え
「なりたい自分になっていく」変容の時期を支えるスキルや手立てとして
活用しています。

例えば
思春期の過活性化した知覚過敏の感度がもたらす
自他認識〜何故俺だけ苦しい/我慢できないのか?の叫び〜、
同じ特性を持つ養育者からの
良かれと思う故に繰り返される叱責や強制への苦痛など、
辛い環境下で他者と強く接点を持つことで
得意も苦手も自分の個性としてひき受けて行く遠い道のりで。
誰かが治すのではなく、
少数派の彼ら自身が納得し、
今出来るやり方で越えて行くことを良し、と出来る
そんなゴールが見えてくるところまで
焦らずに付き合う臨床家でありたいと、
「へたれるな、トンネルの出口は近いのだからと」と
エールを送る日々です。


これからもよろしくお願いします。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:交通ルールを守るように言い聞かせますが、
なかなか言う通りに行動してくれません。
上手な促し方があったら教えてほしいです。



A:園児との外出時は
細心の注意が必要なので、
ポイントを絞っていきたいですね。

とくに動きの激しいお子さんや、
感覚過敏や鈍麻があるような場合には
メリハリをつけた伝え方が
大切になってきます。

先生の大きな声で
みんなが一斉に言うことを聞いてくれれば
良いのですが、
一斉指示が
耳に入らないお子さんも
たくさんいらっしゃると思います。


指示が伝わりにくいお子さんには
なるべく視線をお子さんの目の高さに合わせて、
視線を合わせてから話しかけるようにしましょう。


言葉のやりとりは
野球のキャッチボールと同じです。

相手がボールを受け取る準備をしていなければ、
ボールを投げても
相手に受け取ってもらえませんし、
ときには相手にボールがぶつかってしまいます。

言葉を投げかけるときも
ちゃんと
「これからボールを投げるよ」
「これから話しかけるよ」
という状況を
目で見てわかるように促してから
話しかけるのが良いでしょう。

そのために、
視線をお子さんと合わせて、
お子さんの心の準備をさせてから
話しかけるようにすると、
伝わりやすくなります。


なおかつ、
言葉だけでは
ルールが伝わりにくいので、
顔の表情や声の抑揚にメリハリをつけて
ポイントを絞って
注意点を伝えるようにします。


外出時の注意点については
歩行者用の信号などを
しっかりと
指さしして、
指示に動きを出します。

絵カードを用いるなどして
視覚的なメリハリをつけ、
信号機の色や人型の違いなどを
丁寧に伝えるのも良いでしょう。


大きい道路になると
視覚障害者誘導のための
黄色い点字ブロックがありますので、
それらを目印にして
「ここで信号が変わるのを待ちましょう」
と、指さしして伝えるのもよいと思います。


ほか、
小さいお子さんは
「おばけ」を怖がりますので、
おばけを上手に使って、
説明するのも良いと思います。

昔の人は
川辺や交差点など
危険な場所から
お子さんを遠ざけるために
「おばけがでる」
「おにがでる」
ということを伝えて、
お子さんが危険な場所に近づかないように
言い聞かせていました。

現代でも同じように
交差点や道路の中央部、
店舗の駐車場や接続部など
これらの場所には
おばけが出ると
伝えても良いかもしれません。
そうすれば危険な場所には
近づきにくくなります。

とくに夜や夕方の薄暗い時間は
危険なので、
「おばけがたくさん出る」
「周囲をちゃんと見ましょう」
「家族の人から離れないようにしましょう」と
声をかけるのもひとつです。


お子さんがルールを守ったあとは、
たっぷりと
褒め言葉を
伝えていきましょうね。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成27年
11月13日(金):福井(福井市保健センター)
平成28年
1月13日(水):敦賀(あいあいプラザ)
1月14日(木):勝山(すこやか)
1月15日(金):福井(福井市保健センター)
2月28日(日):小浜(サン・サンホーム)
3月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
3月10日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月11日(金):福井(福井市保健センター)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



○発達障害のある方の就労移行支援セミナー
主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 
日時:平成27年11月21日(土) 13:00〜17:00
場所:越前市生涯学習センター 5階講堂
講師:小川浩 先生(大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科教授)
講師:中山肇 氏(NPO法人リエゾン就労移行支援事業所所長)
講師:鈴木勇 氏(富山県発達障害者支援センター主任就労支援員)
定員:120名
参加費:500円(資料代として)

※駐車場は武生駅北パーキング(アル・プラザ)をご利用いただき、
駐車券を会場までお持ちください。

※詳しくは
スクラム福井HP 研修会のご案内
をごらんください。



○平成27年度 子どもの心の診療医 養成研修

平成25年度にスタートし、
多くの皆様から好評をいただいた
「子どもの心の診療医養成研修」を、
今年は、ステップアップ研修として充実した内容で実施します。

≪症例を交えた講義≫
ステップアップ研修として実施するものです。
昨年の基礎講座を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。

【成人期】
日時:平成27年11月8日(日) 9時30〜12時
場所:福井県自治会館 201研修室
定員:80名
内容:講義 福井大学子どものこころの発達研究センター
 特命教授 小坂浩隆先生  
成人期に現れる二次障害に伴う不登校、ひきこもり等の
問題行動や就労支援について症例を通じて紹介します。
    支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜


≪実践講座≫   
3年目のステップアップ研修会です。
昨年の症例を交えた講義を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。

【講義】
<嶺北>
日時:平成27年12月12日(土) 18時〜21時
場所:福井県国際交流会館 第1・2会議室
定員:120名
<嶺南>
日時:平成27年12月13日(日) 9時〜12時
場所:ニューサンピア敦賀 気比の間
定員:40名

内容:講義「医師のための親ガイダンス研修」
      〜ペアレントトレーニングを通して〜
      講師:山形大学医学部看護学科教授 横山浩之先生
   支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。

※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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