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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 7 Jul 2017 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.62
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 


【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学医学部附属病院 神経科精神科
名古屋大学医学部大学院医学系研究科精神医学分野 客員研究員
総合病院南生協病院 産業医
片山寛人 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



暑くなってきましたが、
夏のレジャーが楽しみな時期でもありますね。
海や山、遠方でのイベントに参加する方なども
多いのではないでしょうか。
楽しみですね。

もちろん、熱中症や事故には
くれぐれもお気を付けくださいね。


それではメールマガジン スクラムネット、
62回目のリレーエッセイは

福井大学医学部附属病院 神経科精神科
名古屋大学医学部大学院医学系研究科精神医学分野 客員研究員
総合病院南生協病院 産業医
片山寛人 先生 より
お送りさせていただきます。


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【リレーエッセイ】

福井大学医学部附属病院 神経科精神科
名古屋大学医学部大学院医学系研究科精神医学分野 客員研究員
総合病院南生協病院 産業医

片山寛人


「虹色の自閉スペクトラム」

はじめまして、
福井大学病院神経科精神科の片山寛人と申します。


御高名な杉山登志郎先生、鈴木太先生に続いて
寄稿させていただくのは恐れ多いのですが、
監修されている友田明美先生より
直々にご依頼いただきましたので、
精一杯努めさせて頂きます。

とはいえ、
あまり高尚なことを書く能力もなく、
思いつくことを書いてみますので、
肩の力を抜いて少々お付き合い頂けましたら幸いです。




軽く自己紹介させていただきます。
福井市出身ですが、
昨年4月に16年ぶりに福井に戻ってきました。

名古屋大学病院で研修中に、
杉山登志郎先生、鈴木太先生にも
ご指導いただいたこともあるので
不思議なご縁を感じています。

私は児童精神科の専門家というわけではなく、
精神科医、内科医、産業医として働いていますが、
現場では発達障害の方に触れる機会も多く持たせて頂いています。


さて、
このエッセイを書くに当たり、
メールマガジンの実施要項を読むと
「発達障害に関する情報を、
福井県内の配信希望者に配信することにより、
発達障害への理解を深め、
発達障害に関する正しい情報を
普及啓発することを目的にします」とあります。


むむむ・・。
なかなか難しいことがさらりと書いてありますね。
発達障害に関する正しい情報、というのは
刻々と変わってきています。
近年になって
発達障害の診断名や概念がまたずいぶんと変化したため、
ついていく方は大変です。


例えば少し前までの精神科疾患の診断基準であるDSM-?では
「アスペルガー障害」は、
以前は「広汎性発達障害」の中に組み入れられ、
「自閉性障害」とは独立していました。

それが今の精神科疾患の診断基準であるDSM-5では
「自閉スペクトラム症」の中に組み入れられました。

「アスペルガー障害」は
医学的には原則的にもう用いられることのないはずの診断名ですが、
世間一般にはまだまだ現役の感があります。


スペクトラム、というのは連続体、という意味です。
太陽の光をガラスでできた三角柱にあてると、
帯状にきれいな虹の色が映し出されます。
これを光のスペクトラムといいます。

虹の色って日本では7色が常識になっていますが、
世界では2色から8色まで、
ばらばらで色の表し方が違うようです。
さっきグーグル先生に聞いたことですけれども。



太陽の光の波長には幅があり、
切れ目なく連続しているので、
無限の色があるというのが物理学的には正しいです。
「虹の色が何色に見えるのかは、科学の問題ではなく、
文化の問題である」そうです。
うまいこといいますね。
これもウィキペディア先生の受け売りですが。


どの文化でも、虹の色に赤は必ず入っているようです。
しかし、
青色と藍色を区別するのは日本くらいで一般的ではないのです。
シベリアのエヴェンキ族は
驚くことに虹をみても赤と青の2色にしか見えないようです。


さて、ずいぶん脱線してきましたが、ここからが本題です。


虹の色が何種類か、ということと、
自閉スペクトラム症の診断には、
似ている部分があるように感じます。
自閉スペクトラム症に入るか否か、
あるいはその重症度については、
医学の問題でなく文化の問題であることがある、ということです。



文化、といっても国のような大きな違いだけでなく、
地域、年代、職場、家庭ごとの違いや、
つきあう友人によって違う、などと
非常に小さなコミュニティー間によっても
見え方が違うことがあると思います。


私が接する方の中には、
学生生活では全く問題無かったけど、
働き始めてから自閉スペクトラム症の傾向があると言われた、
という方もおられます。
臨機応変に動けなかったり、
優先順位を間違えるなど失敗続きである上に、
そのことを自覚できずに職場を混乱させ、
産業医としての対応を求められました。



家庭や学生生活では全く問題なかった、というのは
本人がそう感じているだけかもしれませんが、
少なくとも不登校になったり、
トラブルが表面化して大問題にはならなかったのでしょう。
それが社会人になって初めて、
産業医を呼ばれるほどの問題になったのは、
環境、文化によって見え方が変わってしまった、
という例になると思います。



どの文化でも、虹の色に赤は必ず入っているように、
どの環境であっても
明らかな障害として見える方もおられます。
しかし、
虹の緑や紫が文化によってあったりなかったりするように、
自閉スペクトラムには、
ここまでは病気じゃない、ここからは病気、と
はっきり決めることが困難である例も多いです。

そこで、
自閉症の特徴を持っているようだけど、
そうとも言い切れない部分もあってはっきりしない、という方を
自閉スペクトラムの傾向がある、と捉えられるようになりました。


ただし、
スペクトラムであり切れ目なく連続しているということは、
社会で問題無く活躍している人にでも当てはまる部分がある、
ということになります。
そのため、
最近は過剰診断が問題になっているように思うこともあります。
昨今テレビで頻繁に放映されている特集をみて、
自分も自閉スペクトラム症なのではないか、と
心配して精神科を受診される方が増えてきています。


多少の問題はありつつも、
長年勤務を続けてこられた方でも
心配で受診されることもあります。

そういう方には、どのような人にも大なり小なりはある特徴であり、
社会で大きな問題無く活躍できていれば心配ない、ということを
説明しています。


自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害の方と、
いわゆる定型発達と呼ばれる人の間には
実は明確な溝がなく、
虹の色のようにつながっている、ということが理解いただけると、
より支援が得られやすくなるのではないかなと思います。
ただ、
自閉スペクトラム症の方の支援は
一筋縄でいかないことも多く、
現実には本人も支援者も結構苦労しますが。



発達障害の傾向が少しある方を
俗にグレーゾーンという言い方をすることがありますが、
最近はもっと明るく
「パステルゾーン」と呼びましょう、と
提唱されているのを目にしたことがあります。
これまで話してきた光のスペクトラムにも通じた、
よい表現だと思いました。


こう書いている自分も、
実は自分がはっきり虹の一部をもっているな、と
感じてきました。

精神科医になって勉強するにつれてますます、
これ、自分の事が書いてあるんじゃ?・・と。

ある日妻に伝えたところ、
「今頃やっとそんなことがわかったの」と
言われてしまいましたが・・。



多弁、多動な幼少期で、
10秒目を離すと行方不明になり
迷子のアナウンスが流れたらしいです。
現在は多動は一見目立たないようなので
意外に思われることもありますが。
一旦帰路についてから、
忘れ物を取りに戻ってくることもよくあります。


ただ、
仲間だと声をかけて下さる先生もおられて安心しています。
ここだけの話、(メールマガジンでここだけもないですが)
「虹持ち」の精神科医は結構多いです。
児童精神科の学会では
カミングアウトしてから発表される先生を
何人も拝見しました。
やはり当事者が最高の理解者なのかもしれません。



予想通り
まとまりなく書き散らかしてしまいましたがご容赦ください。
こんな落ち着きのない私ですので、
多動を生かして精神科、内科、産業医、漢方診療と
幅広く(節操なく?)仕事をさせていただいてきました。

少し宣伝で恐縮ですが、
児童精神科医の妻と一緒に、
2018年4月に
福井市新田塚にて
福井こころとからだクリニックを開業致します。
http://fukuikokorotokarada.com
にて
ブログも連載中ですのでよろしければ覗いて見て下さい。

次号は私の妻、片山智子先生のエッセイです。
お楽しみに。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:園庭でお遊びの時間に、
ゲームで負けたりすると友だちを叩いたり
蹴ったりしてしまいます。

勝ち負けにこだわりが強く、
負けたことに納得ができません。

どのように接すればよいのでしょうか?


A:お友だちとのトラブルや、
反抗的な態度で困ってしまう場面は、
よく見られますよね。

本来、
小さいお子さんは全身の運動機能が発達すると、
脳前頭葉の機能も発達していくので、
それに伴い、自己をコントロールする力も
養われていきます。


ただ、小さいうちは発達が未熟なので、
多動的であったり、
衝動的に行動したりすることが多いのです。

先生方としては
じっくりと本人に向き合っていきたいですね。




まず暴れてしまう理由ですが、
いくつか挙げられます。

変化に対応できない、
また、
「負けるかもしれない」という予想ができていないことも
あげられます。

ルールの理解が難しいことや、
気分が不安定なこともあるでしょう。

空間の把握が難しいため動作がぎこちなくなったり、
ときに周囲からは不器用にみえてしまったりすることもあるでしょう。

「もっと自分に構ってほしい」という寂しい気持ちから
注意をひくような行動にでたり、
パニックになったりすることもあるでしょう。

そもそも欲求を言葉で伝えられないこともあるはずです。

このように、
トラブルの場面には
いろいろな要因が含まれているので、
ひとつずつ勘案しながら
探っていくことも必要です。


変化に対応できない場合には
出来る限り事前に予定を伝えておきましょう。
言葉がうまく伝わらないときは
ルールや遊び方がわかるような手順書やカードを作成すると
効果的です。
ゲームのやり方をビデオに撮り、
一緒にビデオを見てもよいかもしれません。

また、負けたときの決まり事についても
話し合っておいたり、
お約束の内容についても
事前に確認したりすると良いでしょう。

負けたときの振舞いや態度についての
予行練習をするのも良いと思います。


それでもパニックになったときは、
落ち着くまで様子を見守り、待つ姿勢をとりましょう。

ときには適切な無視をすることも必要かもしれません。
本人が落ち着いたら、先生とお話する場面を作りましょう。

ゲームに負けたときは「くやしさをどのように表現すればよいのか」、
一緒に練習してもよいでしょうし、
ゲームに参加できたことなど
日々の本人の努力を認め、褒めることが大切となります。

反省を促すために
「どうしてなの」とか「気を付けて」などと
抽象的な言葉がけをしてしまうこともありますが、
出来る限り
「次からはこうしてね」と具体的な行動のとりかたを
伝えてあげられると良いでしょう。




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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成29年
7月12日(水):敦賀(あいあいプラザ)
7月13日(木):大野(結とぴあ)
9月13日(水):敦賀(あいあいプラザ)
9月14日(木):勝山(すこやか)
9月15日(金):福井(福井市保健センター)

参加・ご利用時間は10:00〜12:00までのお時間となります。


※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
を、ごらんください。




○子どもへの暴力防止のための基礎講座in福井
 
主催:つるがCAP 
日時:平成29年8月11日(金・祝)、12日(土)、19日(土)
1日目:10:30〜18:30 福井県社会福祉センター
2日目:9:30〜17:30 福井県社会福祉センター
3日目:9:30〜17:30 福井市地域交流プラザ
講師:NPO法人CAPセンター・JAPAN CAPトレーナー
定員:30名
受講費:9000円(税込み)(資料代1500円含む)
30歳未満の大学生等は4500円(資料代含む)

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修のご案内
をごらんください。



○医療および教育専門職のためのこころ塾2017

主催:京都大学こころの未来研究センター 
日時:平成29年9月30日(土)、10月21日(土)、11月11日(土)
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
定員:100名(先着順)

参加資格:学校教員および教育関係の仕事に就いている方
作業療法士、理学療法士、臨床心理士、言語聴覚士の
実務経験が3年以上の方
3日間全日参加できる方
情報交換会費:1000円×3日(初日に集めます)

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修のご案内
をごらんください。



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【その他のお知らせ】

○「就コミュ」のご案内

就コミュ! は
インターネット上で
職場でのさわやかなコミュニケーションのポイントを
遊びながら学ぶサイトです。

国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金助成活動」の
助成を受けて
日本設備管理学会 就労支援技術研究会にて
開発されたサイトです。

ゲームの主人公の立場で、
就職活動や職場でのコミュニケーションを疑似体験できます。
どのような話し方が相手に好印象を与えるか、
考えながらチャレンジしてみましょう。

就コミュのサイトは
http://www.syucom.org/ をごらんください。



○MRI検査の母とお子様の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
子育て中の『お母さん』か?
意図せす?とも発揮している『脳の働きの不思議』を
MRI検査で調へ?る脳科学研究への参加者を募集しています。 

※詳しくは http://tomoda.me/resources/Youikunou_MRI_recruit.pdf を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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