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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 6 Feb 2015 18:00:00 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.33
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 



【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学子どものこころの発達研究センター
発達脳機能イメージング部門 特命助教
島田浩二 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


今の時期は
二十四節気でいうと「立春」ですね。

まだまだ冬らしい季節ですが、
ときおり空から見える日差しに
春らしさを感じることも出てきました。

立春の次は「雨水」といって
降り続いた雪が
雨水へと変わる時期だそうです。

刻々と春が近づいてますね。


それではメールマガジン スクラムネット、
33回目のリレーエッセイは

福井大学子どものこころの発達研究センター
発達脳機能イメージング部門 特命助教
島田浩二 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】
福井大学子どものこころの発達研究センター
発達脳機能イメージング部門 特命助教
島田浩二


こんにちは,福井大・子どもセンターの島田です。
リレーバトンを受けて走者になるのは
中学校の運動会以来です。

当時は陸上競技部に所属し、
比較的速く走れる子どもでした。
しかし、
中学2年頃には瞬発的に速く走る短距離種目に限界を感じ、
持続的に速く走り続ける中距離種目(例,800m)に転向しました。

子どもの頃の自分にとっての大きな決断(選択)の1つになります。

その結果は、
中学3年のときに地区大会の800mの8位入賞でした。

・・・といった子ども時代の話はここで置いておきましょう。




私は、
今年度(2014年)の4月より福井大に所属することになりました。
専門は認知神経科学(以下,脳科学と呼称)になります。
言語や社会能力に関わる脳の働きの解明を目指して
研究してきました。

ここでは、
発達という観点を取り入れ,
脳の働きを調べていきます。

脳の発達が生まれつき定型とは異なるのが発達障害とされます。

その違いは脳の中のどこの部位でどのように現れるのでしょうか?
脳科学研究の発展により
発達障害のより深い理解が期待され、
そして
その理解に基づく介入・療育方法の開発が期待されています。


それでは、
脳の働きはどのように調べられるのでしょうか?

その方法の1つには、
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)があります。

神経細胞の活動が活発な脳部位には、
酸素とブドウ糖が必要となり、
それらを運ぶ血液は
その部位に向かってどんどん流れていきます。

この血液の流れ(血流)を
MRI装置によって検出するのです。

もちろん、
脳や体を傷つけることなく
撮影することができます。

広く世界中の医療および研究機関で使用され、
安全基準が確立されているので、
安心して撮影を受けられます。



脳科学研究では、
どのように研究が進められているのでしょうか?

そこでは、
脳機能マッピングという
研究アプローチが取られます。

特定の心的機能を
特定の脳部位に対応づけることを試みます。

ただし、
機能と部位が1対1に必ずしも対応づくわけではありません。

ある機能を実現するシステムの構成要素の解明を目指すと言えます。
(さらには脳部位の間の関係性を明らかにする研究に進んでいきます)




では、
言語機能の1つの「読み」が対応づく脳部位はどこか?
そして
「読み」に選択的な障害がある学習障害との違いは何か?
(特異的読字障害または発達性ディスレクシアと呼ばれる)

また、
学習に難しさがある外国語の「読み」との違いは?


これまでの脳科学研究では
たくさんのことが分かってきました。
ここでは、
いくつかの研究について簡単に紹介させて頂きます。



0.	その紹介の前に
「特異的読字障害」の定義とは何か?

全般的な知能、視覚などの末梢感覚器、
環境や意欲に問題がない、
それにも関わらず、
読むことにおける習得困難が見られる状態、
と定義されています。



1.	まず、読むことには、単語形態の処理が必要とされます。

単なる線の模様を、
書き言葉として認識することに関わります。
この処理機能には、
左半球の後頭−側頭領域(特に紡錘状回)が
対応するとされます。

読字障害では、
この脳部位の機能不全・低下が認められています。
(定型発達に比べて
読字障害ではこの部位の働きが低下しています)



2.	次に、
読むことには、文字−音変換の処理が必要とされます。

書き言葉から、音情報を抽出し
話し言葉に変換することに関わります。

この処理機能には、
左半球の側頭−頭頂領域(特に下頭頂小葉)が
対応するとされます。
読字障害では、
この脳部位の機能不全・低下が認められています。
(定型発達に比べて
読字障害ではこの部位の働きが低下しています)


おそらく次の疑問は読字障害への特別な介入・療育の効果はあるのか?

3.介入・療育研究の成果として分かってきていることは、
特別訓練プログラムが、読字障害の読み技能を改善させるだけでなく、
その技能に関わる脳部位の働きを変化させるということです。

先に紹介した左半球の脳部位の機能低下が標準活性に向かうのです。

また、
右半球の相同部位の働きが訓練に伴いより活発になるようです。
(右半球の働きは、左半球の脳部位の働きの補償と解釈されます)


しかしながら、
読字障害の脳科学研究に課題も多く残されています。

4.例えば、
読字障害の個人差の問題のさらなる検討が必要です。
先の機能低下以外の問題を抱える読字障害も存在すると言えます。
読字障害のサブタイプの体系・再編のさらなる理解が待たれています。

5.また、読字障害の文化差の問題もさらに検討が必要でしょう。
英語アルファベットと中国語漢字の間での違いがあるのかどうか。
さらには、日本語の仮名はどうだろうか、などなど。

その他、まだまだ研究が進まなければいけないのですが、
アクション・ゲームによる訓練効果という興味深い知見が出ています。
その訓練では、
読みに関わる文字や音変換の処理は含まれていません。
それにも関わらず、
興味深いことに訓練効果が認められるようです。
視覚注意機能が向上し、
それに伴い読みが改善されたと解釈されます。
個人差、文化差、学習段階を考慮して
さらなる研究が期待されます。



最後になりますが、
脳科学研究と特異的読字障害について、お話をさせて頂きました。

このエッセイを読んでもらい、
この分野の関心が広がれば幸いです。

私は駆け出しの研究者で、
まだまだ未熟なところがありますが,
(もし理解が不十分な点がありましたら、遠慮なくご指摘ください)
瞬発的に素早く、そして持続的に根気強く走れるように、
研究を進めていきたいと思います。
温かく見守ってください。


今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。




Q:食後の歯磨きをとても嫌がり、
いくらなだめても叱ってもやらせてくれません。
どのような工夫ができるでしょうか。



A:はじめは、歯を磨くと言うよりも
口の中に異物である歯ブラシ自体を入れること(入れ続けること)に
慣れる必要があります。

まず
唇に歯ブラシを当てるところから始めて、
前歯にあてる → こする、
横の歯にあてる → こする・・・など、
段階的に歯ブラシに慣らしていきましょう。

また、
介護用で歯ブラシが使えない方に使用する、
棒の先にスポンジのついてる使い捨ての道具などを利用して
「口の中に物を入れても大丈夫」という
経験をさせてあげるのも良いかと思います。



歯ブラシを口の中に入れられるようになっても、
何をされるのか不安な場合もありますので、
歯磨きとはどういうことをするのか
いつ終わるのかという
見通しをつけることも大切です。

本人に鏡を持たせて
口の中と歯ブラシを見せながら、
どの歯を磨いているか
説明しながら行うと
落ち着くこともあります。

毎回磨く場所を同じ順番で固定、
頬をつついて「次はここ」と
磨く場所を予告して心の準備をさせ、
10数えたら次の場所に移ります。

すると
次第に終わりを理解して
安心できるようになります。

お母さんやきょうだいが
歯磨きをしているところを
実際に(またはビデオで撮影しておいて)見せたり、
歯磨きの手順を示しためくり式のカードを見せながら
進めたりするのもひとつの方法です。


また歯は、
身体の中でも感覚過敏の反応が強く出やすい部位でもあります。
その場合は
歯ブラシを持たせた本人の手を持って磨くことを試してみましょう。

感覚過敏のある子でも
手を触られることには反応が出にくく、
自分で触ることには抵抗が少ないことが多いです。

歯磨き粉の味や香りや舌触りに対して
過敏になっていることも考えられますので、
歯磨き粉を付けないことも試してみてください。
(逆に、好きな歯磨き粉でうまくいく場合もあります)

歯磨きがうまくできたら、
たくさん褒めてあげてください。
(全て磨き終わってから褒めるのでなく、
歯ブラシを口の中に入れた瞬間など、
歯磨きのひとつの手順が終わるごとに
褒めるのがコツです)
また、
できたらシールを貼れるなどのご褒美も有効です。


歯磨きは大切な衛生習慣のひとつで
毎食後に行うものですが、
小さな子供にとっては楽しいものではなく、
歯磨きをしなくてはいけない意味も分からないので、
嫌がるお子さんが多いものです。
歯磨きができるようになると、
歯科検診や歯科治療なども受けやすくなります。
その子に合ったやり方を試行錯誤しながら、
工夫を重ねていきましょう。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成27年
3月4日(水):福井(県立図書館)
3月5日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月6日(金):敦賀(あいあいプラザ)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜16:30の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



〇療育研修会「発達障害児の便利で楽しいiPad活用法」 
主催:福井県こども療育センター
日時:平成27年2月28日(土)10:00〜15:30
会場:福井県立看護専門学校4階 多目的室
講師:高松祟 先生
(NPO法人支援機器普及促進協会(ATDS)理事長)
対象:発達障害児に携わっている保護者および各関係機関の職員
定員:80名
参加費:無料
お問合わせは 福井県こども療育センター
通園指導課 堀田 まで
0776-53-6581(直通)

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



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【その他のお知らせ】



〇〜みんながくつろげる場所〜
やすらぎ・まちなかサテライト のご案内

鯖江市本町に、
誰もが気軽に集える場所
「やすらぎ・まちなかサテライト」を
開設します。

障がいのある方を対象としていますが、
一般の方々、
また、大学生のボランティアも参加しますので、
幅広い年代の方々の交流の場として
使っていただけます。

コーヒーを飲みながら、
みんなで楽しい時間を過ごしましょう。


主催:鯖江市社会福祉課
実施主体:社会福祉法人つつじ会
日時:毎月第4日曜日12:00〜15:30
平成27年 2月22日 3月22日
場所:街なか休憩所「らてんぽ」
鯖江市本町2丁目(古町商店街)
対象者:地域生活支援事業サービス受給者証をお持ちの方・一般の方
参加料金:無料
飲み物は一杯50円(菓子付き)
お問合わせは 鯖江市役所社会福祉課 まで
0778-51-8157

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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