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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 3 Jul 2015 18:00:00 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.38
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 



【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井愛育病院
小児科医 森岡茂己 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



もうすぐ子どもたちが
待ちに待った夏休みが始まりますね。

プールに海水浴、
ハイキングやキャンプなど
楽しみが盛りだくさんですね。


夏休みの後半になると
宿題がたまってしまうお子さんもいるので、
毎日少しずつ
お勉強を進めいきたいですね。



それではメールマガジン スクラムネット、
38回目のリレーエッセイは

福井愛育病院
小児科医 森岡茂己 先生 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】
福井愛育病院
小児科医 森岡茂己

みなさま、はじめまして。
福井愛育病院で小児科医をしております
森岡茂己と申します。

リレーエッセイということで、
まずは自己紹介からさせてください。


私の出身地は大阪府で、
中学、高校は兵庫県に通学、
大学は京都市内に一人暮らしをして、
京都府立医科大学に通っておりました。

さらに
大学卒業後は小児科医として
京都府、滋賀県で勤務しており、
その間に大学院にも行かせていただきました。

ですので、
平成24年から
福井愛育病院で
働かせていただいておりますが、
これまでずっと
近畿圏で生活しておりましたので、
実はまだ
北陸地方の生活には
慣れたとは言えません。

雪かき、
カニの剥き方など、
まだまだ上手にできませんし、
雪の日の運転は
極力控えるつもりです。


そんな私ですが、
この2年半で
福井市は本当に住みやすいところだと
感じております。

駅前に出れば
何でも揃っていますし、
駐車場は大きいし、
どこのお店に入っても
食事がおいしいです。

一緒に働くスタッフにも恵まれ、
忙しくて泣きそうになることもありますが、
日々楽しく過ごしております。


そして今年の秋から、
縁あって
福井大学子どものこころの発達研究センターAge2企画の
学外研究員として
研究に参加することになりました。

大学院では
先進的なMRI技術を用いて
白血病患児などの
脳画像解析を行っておりましたので、
その手法を用いて
発達障がい児の脳画像解析を行う予定です。



さて、突然ですが
小児科医とは何をする人のことでしょうか?

成人が総合病院を初めて受診するとき、
おそらく総合内科
(一般内科、総合診療科・・・、
病院によって名称が異なります)で
診てもらうと思いますが、
小児科はまさに
子どもの総合内科の側面を担っています。

また、成人では
総合内科から消化器内科や循環器内科など、
いくつかの科に案内されることになると思いますが、
小児の場合は
(それぞれの分野の専門医に相談しながら)
担当医が患児の全身を診ることが多いです。

最初から一番近いところで
患児に寄り添う家庭医のような存在でもあるのです。

一方で、
内科同様に専門分野も分かれており、
例えば私は小児神経を専門にしておりますので、
神経疾患が疑われる患児についての
相談、診療も行っております。

成人との違いは、
たとえ私が小児神経を専門にしていても、
熱が出てぐったりしているお子さん、
おなかを痛がっているお子さん、
喘息のお子さんなどの診療も
同様に行うというところです。

つまり、
小児科医とは
子どもの総合内科医、家庭医であり、
そのうえで
各々の専門医(私の場合は子どもの神経内科医)の役割も
担っているのです。


子どもの総合内科医、家庭医である小児科医は、
子育てなど母親の不安に寄り添うことも大切です。
特に
発達障がいのお子さんの場合、
ご両親が何らかの「育てにくさ」を感じていることと思います。

昨今、
発達障がいの専門外来を受診するのに、
初診の予約までに数か月かかることが
全国的に問題となっております。
残念ながら
これは福井県内でも同様ですが、
すべての小児科医が
子どもの総合内科医、家庭医として、
専門外来を受診するまでの間に
ご両親の困り事に対して
最初のアドバイスが出来るようになれればと思います。

子どもの心診療部の春木部長にご指導いただきながら、
私もご両親の「子育てに対する不安」や
感じている「育てにくさ」に寄り添っていきたいと思います。


皆様、
是非一緒に勉強しましょう。

どうかよろしくお願い致します。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:4歳児の男子です。
高い所に上りたがり
飛び降りることも好きです。

危ないと思う場面もあり、
どのように指導していけばよいでしょう。
               
                                   

A:高い所に上りたがるのには、
いくつかの理由があります。


1.	感覚的刺激が好き

2.	人の注目を浴びたくて目立ちたい

3.	飛び降りるのが好き

4.集団の中にいるのが苦手


これらの場合が考えられ、
それぞれどのようにしたらよいか、
考えてみましょう。



1.	感覚的刺激が好きな場合

この子は
低い所より見晴らしもよい高い所で、
自然の素晴らしさを感じているかもしれません。

太陽の光の眩しさや輝き、
風のそよぐ心地よさなどです。

木に登っているなら、
枝の揺れる感覚も
楽しいかもしれません。


このような場合は、
子どものことを静かに観察します。
危ないからといって
一概に否定せず、
まず
子どもが気持ち良いと感じていることに共感して
理解を示します。

「お日様が当たって暖かくて、
いい気持ちだねえ」などと
言葉かけをして、
子どもがうなずいたり、
少しでも反応するのをまってから、
「お休み時間の終わりのベルが鳴ったら、戻ろうね。」と、
子どもが解るように
言葉を選んで伝えます。

降りてきて落ち着いたら、
この次に上る時の約束ごとをします。

例えば
「一人で勝手に上らないで、先生に声をかけて一緒に上る」
「上ったら、いつまでも上っていて良いのではなく、
決められた時間で降りてくる」などです。

約束を守らないと事故を起こし、
大きな怪我につながることも伝え、
約束を守ることを前提に、
上ってもよいということにしましょう。



2.	人の注目を浴びて目立ちたい場合

この場合は
高い所に上っても、
注目を浴びるわけではないと思わせるために、
騒ぎにならないようにします。

他の子どもたちには
「平気だから」と言って、
その子に他の子どもたちの目が集中しないようにします。

そして
静かな状態の中で
保育者は声をかけます。
「そこには上りません。降ります」
と言って、見守ります。


このように
注目を浴びたいというタイプの場合は、
保育の他の場面で、
その子にスポットが当たるような活動を
考えていきましょう。



3.	飛び降りるのが好きな場合

高い所から飛び降りるスリルを求めて、上る場合もあります。

その場合は上ってしまったら、
飛び降りる場所が安全な場所になるように導きます。
出来れば、
高い所から飛び降りるのではなく
トランポリンなどの遊具を使って、
楽しく、飛んだり、跳ねたりさせるのがよいでしょう。



4.	集団の中にいるのが苦手な場合

みんなで園庭に出て
ダンスの練習などをする時も、
独りになりたくて
高い遊具の上に上ってしまうことがあります。

このような場合は、
保育者が観察できるようにし、
安全な場所を選んで、いさせてあげましょう。

特に聴覚過敏がある子は、
耳を塞ごうとして手を放すこともあるので
気を付けて観察し、
できれば独りになれる場所を、
高い所ではない所で
見つけておきましょう。

「○○ちゃんはどこかな?」などと
友達を探しに行こうと誘ったりし、
徐々に集団に慣れていくようにしましょう。



このように、
さまざまな理由で高いところに上りたい場合があります。

どのような場合でも、
保育者が騒ぎ立てずに
先ず落ち着いて
観察することが大切です。

そうすることで、
まわりの子どもたちに
動揺が広がるのを防ぐことができます。

そして、
高いところにいる子どもには声掛けをし、
どのような理由で高い所にいるのか、
さりげなく探りましょう。

子どもの気持を受容したうえで、
危険を回避し、
下に降りてこられるよう誘導できればよいと思います。


保育者が慌てず冷静に
高いところにいる子どもに接し、
気持ちをくんだうえで対応することが、
指導のポイントといえましょう。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成27年
7月8日(水):敦賀(あいあいプラザ)
7月9日(木):大野(スクラム奥越事務所)
7月10日(金):福井(福井市保健センター)
9月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
9月10日(木):勝山(すこやか)
9月11日(金):福井(福井市保健センター)
10月6日(火):小浜(サン・サンホーム)
10月21日(水):越前(越前市健康福祉センター)
10月22日(木):鯖江(アイアイ鯖江)
平成27年
2月28日(日):小浜(サン・サンホーム)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



〇福井県こども療育センター 平成27年度 療育研修会
日時:平成27年7月26日(日) 
午前の部 10時00分〜12時00分 (受付開始9:30) 
午後の部 13 時 30 分〜15 時 30 分 (受付開始 13:00) 
場所:福井県立看護専門学校4階 多目的室(当センター併設)
講師:高見葉津 先生
(元東京都立北療育センター 言語聴覚士・臨床発達心理士) 
対象:保護者および各関係機関の職員
午前(主に保護者向け)
午後(主に関係者向け) 
定員:各 80 名
参加費:無料

※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内 のページ
をごらんください。



○平成27年度 子どもの心の診療医 養成研修

平成25年度にスタートし、
多くの皆様から好評をいただいた
「子どもの心の診療医養成研修」を、
今年は、ステップアップ研修として充実した内容で実施します。

≪症例を交えた講義≫
ステップアップ研修として実施するものです。
昨年の基礎講座を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。

【乳幼児期】
日時:平成27年7月4日(土) 18時〜20時30分
場所:武生商工会議所パレットホール A&B
定員:80名
内容:講義 杉田玄白記念公立小浜病院小児科医長 原慶和先生   
乳幼児期に現れる症状・特性やその療育的対応について
      症例を通じて紹介します。
    支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜

【学童期】
日時:平成27年9月19日(土) 18時〜20時30分
場所:福井県国際交流会館 第1・2会議室
定員:80名
内容:講義 福井大学医学部附属病院小児科講師 川谷正男先生  
学童期に発症しやすい症状・特性、その対応について
      症例を通じて紹介します。
    支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜
【成人期】
日時:平成27年11月8日(日) 9時30〜12時
場所:福井県自治会館 201研修室
定員:80名
内容:講義 福井大学子どものこころの発達研究センター
 特命教授 小坂浩隆先生  
成人期に現れる二次障害に伴う不登校、ひきこもり等の
問題行動や就労支援について症例を通じて紹介します。
    支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜


≪実践講座≫   

3年目のステップアップ研修会です。
昨年の症例を交えた講義を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。

【講義1】
日時:平成27年8月8日(土) 18時〜20時30分
場所:地域交流プラザ(アオッサ)研修室601
定員:120名
内容:講義「かかりつけ医が地域で活用できる療育・相談支援機関について」
     「意見書の作成について」
      講師:福井県子ども療育センター医療課長 津田明美先生
   支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜

【講義2】
<嶺北>
日時:平成27年10月25日(日) 9時〜12時
場所:福井県立大学 共通講義棟大講義室
定員:120名
<嶺南>
日時:平成27年10月24日(土) 18時〜21時
場所:プラザ萬象 第3会議室
定員:40名


内容:講義「子どもの診療をめぐる家族の見立て」
      講師:東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野 本多奈美先生
   支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜

【講義3】
<嶺北>
日時:平成27年12月12日(土) 18時〜21時
場所:福井県国際交流会館 第1・2会議室
定員:120名
<嶺南>
日時:平成27年12月13日(日) 9時〜12時
場所:ニューサンピア敦賀 気比の間
定員:40名

内容:講義「医師のための親ガイダンス研修」
      〜ペアレントトレーニングを通して〜
      講師:山形大学医学部看護学科教授 横山浩之先生
   支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜

【公開講座】
日時:平成27年9月12日(土) 13:30〜16:00 
場所:福井県済生会病院2階研修講堂
内容:第1部 当事者の立場からの体験談  小道モコ先生 
   第2部 講義 京都児童福祉センター 児童精神科医 門眞一郎先生

お問合わせは 福井県障害福祉課 もしくは 福井県医師会 まで
福井県障害福祉課0776-20-0634    福井県医師会0776-24-0387



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。

※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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