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スクラムネット メールマガジン
- Date: Fri, 4 Sep 2015 18:00:00 +0900 (JST)
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メールマガジン スクラムネット No.40
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学子どものこころの発達研究センター Age 2企画
客員教授 松浦直己 先生 より
2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント
3..... セミナー・研修会などの案内
4..... その他のお知らせ
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秋が近づいてきましたね。
中秋の名月とも言われるように、
お月さまが一番美しい時期でもあります。
日もどんどん短くなり、
夜も涼しくなってきましたので、
これを機に
ご家族で天体観測などをしてみるのも
良いかもしれませんね。
それではメールマガジン スクラムネット、
40回目のリレーエッセイは
福井大学子どものこころの発達研究センター Age 2企画
客員教授 松浦直己 先生 より
お送りさせていただきます。
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【リレーエッセイ】
福井大学子どものこころの発達研究センター Age 2企画
客員教授 松浦直己
皆様、はじめまして。
松浦直己と申します。
8月から
福井大学子どものこころの発達研究センターの
Age 2企画の客員教授を
拝命いたしました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
本務校は東京福祉大学で、
社会福祉学部の教授をしております。
専門は
特別支援教育、少年非行、犯罪心理学、発達精神病理学です。
犯罪心理学を専門にしていますと
自己紹介すると、大抵の方は
「へぇー」といった表情になり、
「どうして最近こんなに凶悪な事件が増えたのでしょうか」と
お尋ねになります。
「昔はこんな事件はなかったのに」とか、
「日本の将来が心配です」と
おっしゃる方もいらっしゃいます。
少年事件は凶悪化しており、
日本の状況は
他国と比較すると
相当良くない、と
認識されている方がほとんどです。
しかしながら
これらの固定観念は
全て間違っています。
この20年間で
少年による凶悪事件(殺人・放火・強盗・強姦)は
約1/3に激減しています。
そもそも20年前の事件数も
治安のよい先進国と比較して少なかったのですが、
現在においては
群を抜いて凶悪事件数は少ないのです。
これだけ顕著な減少傾向を示しているのは日本だけです。
そして国内で見ても、
戦後最も凶悪犯罪(軽犯罪もですが)が少ない、
治安のよい状態を維持しているのです。
世界の国々と比較すると、
まさに「異次元」状態です。
豊かな社会という定義はいろいろあると思いますが、
犯罪の少ない、つまり治安のよい社会は、
間違いなく豊かな社会です。
日本ではある日突然襲われたり、
命を狙われたりする心配をする必要はまずありません。
さらに
日本の治安の良さの特徴として、
すりや置き引きがきわめて少ないことが知られています。
むしろ
日本で落とし物をしたら、
誰かが届けてくれていて驚いた、という
外国人の話を聞いたことがあるでしょう。
犯罪に遭う確率が低い社会とは、
私たちの子孫に残せる大きな財産なのです。
昨年ベルギーのブリュッセルを訪れ、
3日間の学会に参加したときのことです。
親しげに話しかけてきた陽気なイタリア人青年と
歩きながら話をしました。
満面の笑顔で
「日本人だろ?スモウ、シッテルカ?スキヤキ、タベタカ?」と
次々と聞いてきます。
オレはジュウドウ、得意だといって身体に触ってきました。
これはおかしいと思って
さっさと逃げてホテルに入ろうとしました。
そのときです。
財布をすられていたのです。
犯罪心理学の授業では、
海外ではすりが多いので
安易に貴重品を持って外出しないこと、
パスポートなどは
ホテルの金庫に入れておくべし、と
偉そうに学生に話していた身分としては
面目丸つぶれです。
幸いに
現金・カードを入れた財布ではなく、
交通系カード入れだったので、
帰国後急いで解約しないと、と思っていたら。。。。
なんと
そのイタリア人青年がホテルに入ってきて
(つけてきていたのです)、
無表情に
「返してやるよ!」と言わんばかりに、
そのカード入れを
私に放り投げ、
(しかも親指を立てて「いいね!サイン」をして!!)
すたすたと去ってしまったのです。
現金が入っていなかったので、
必要ないと思ったのでしょう。
それにしても
わざわざホテルまで追いかけてきて
返しに来るとは。。。
少しアカデミックなお話しをしましょう。
日本は超がつくほど治安のよい国ですが、
その中でも、北陸・東北地方は、概して治安がよいのです。
例えば
犯罪発生率を低い順で並べると、
秋田県は1位、福井県は9位です。
秋田県や福井県というと、
全国学力検査で常に1,2位を独占しています。
長寿ランキングでみても、
福井県は男性3位、女性7位です。
これらの一致は偶然ではありません。
どれが原因でどれが結果かは分かりませんが、
犯罪の少ない地域は
子どもの学力が高く、
平均寿命も高い傾向があります。
世界保健機構(WHO)や
経済開発機構(OECD)などの組織が調査した結果から、
国際比較をしても
同様の結論が導かれるのです。
つまり
治安のよい国は子どもの学力が高く、
平均寿命が長いのです。
ハーバード大学公衆衛生大学院教授のイチロー・カワチ氏は、
日本の寿命が長いのは、
“ソーシャル・キャピタル”(社会関係資本)が
蓄積されているから、
つまり
集団の連帯感が強いからではないか、と
指摘しています。
日本食がよいとか、
医療制度がよいとかも原因としては考えられるのですが、
他国と比較して、
家族・親族・地域で助け合ったり、
連帯感が強かったりすることが、
日本の強みだと述べているのです。
カワチ氏は、
人と人との絆がしっかりして、
相互の信頼感が強いと、
人の健康に
大きなプラスの影響をもたらすことを
明らかにしています。
確かに
阪神淡路大震災や東日本大震災のような
大災害後の日本人の姿勢は、
世界からも高く評価されています。
福井県は
3世代同居率が全国2位で、
他のソーシャル・キャピタルの強さを評価する調査でも
上位にランクインしています。
家族の絆や地域における信頼関係、
子どもの学力や平均寿命、
犯罪率、経済力まで、
様々な指標は意外と関連し合っており、
福井県はよいモデルになっていると思われます。
「住みやすい県」や
「子育てしやすい」ランキングでも
福井県は上位になることがあるのですが、
これも偶然ではないのです。
さて
なぜこんなに私が福井を褒めるのか、
不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。
実は私、
南越前町出身、
武生高校卒業生です。
親や兄弟も福井に住んでおり、
私の子どもたちも
小さい頃から帰省するのを楽しみにしていました。
私自身のふるさとで、
学術的研究に関わることができることを
たいへん嬉しく感じており、
そしてこのようなチャンスを与えてくださった皆様に、
心から感謝申しあげます。
現在、
福井大学子どものこころの発達研究センターの
Age 2企画の先生方と、
非行化したり、虐待を受けたりした少年が、
家族的な矯正?育を受けて
どのような神経学的変化が起きるのかを研究しています。
何度か研究室内で講義をさせていただきましたが、
先生方や学生さん方の熱気に
圧倒されそうでした。
恐らく日本でも
もっとも活発に研究されている研究室の1つでしょう。
私自身まだまだ力不足ですので、
ここでスタッフの皆様と、
ふるさとの福井で、
切磋琢磨しながら勉強できることを楽しみにしています。
改めまして、
関係者の皆様、
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】
続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。
園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。
以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。
Q:「うちの子はほめるところがなくて・・・・」と
ADHDの子の親からよく言われます。
どのように保護者に伝えていったらいいでしょうか
A:こどもが不適切な行動をしたとき、
強い口調で言い聞かせたり、
叱ったりすることはあります。
しかし、
ADHDの子に大切なのは、
プラス面を見てほめる「肯定体験」を積み重ね、
自信をつけさせることです。
不適切な行動ばかり目立つ子の保護者にとって
「ほめる」という行動は、
はたから考えるより簡単ではありません。
ほめるところを見つけようと必死になり、
それが親自身のストレスになってしまうこともあります。
でも、
朝ひとりで起きた、
パジャマから園に行く洋服に着替えられた、
おはようと大きな声で言えた、
などなど
本当は小さなことでよいのです。
幼児の場合、
どのように行動したらよいのか
わからないこともたくさんあります。
お手本を具体的に示し、
良い行動をふやしていくことが大事です。
ほめるときのポイントとして、
その場ですぐにほめる、
他人と比べない、
結果よりプロセスをほめる、
皮肉をいれないことです。
友達や兄弟とくらべたり、
「めずらしくできたね」とかいう言葉かけよりも、
ストレートに
「いっしょけんめい毎日がんばってるからうまくいったね」
という言葉かけのほうが効果的です。
ADHDの子の保護者は、
自分のこどもが回りの子どもたちに迷惑かけていないか、
園の先生を困らせていないかと
いつもどきどきしています。
子育ての責任感から、
保護者自身も自己評価が下がっている人もいます。
保護者自身にも
園から「お母さんも、毎日お仕事頑張ってますね」、
「○○君が元気なのはお母さんが元気やからのおかげやなあ」
という声かけをし、
保護者自身の気持ちにも寄り添うことも大事です。
今、園でできていることを紹介し、
園ではいつもそこをほめていますと伝えることも
保護者にとって参考になると思います。
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【セミナー・研修会などのご案内】
それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。
○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。
日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。
主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
平成27年
9月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
9月10日(木):勝山(すこやか)
9月11日(金):福井(福井市保健センター)
10月6日(火):小浜(サン・サンホーム)
10月21日(水):越前(越前市健康福祉センター)
10月22日(木):鯖江(アイアイ鯖江)
平成28年
2月28日(日):小浜(サン・サンホーム)
各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)
※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。
○医療と発達障害講演会
大人の発達障害について
主催:福井県発達障害児者支援センタースクラム福井
日時:平成27年9月13日(日) 13:30〜16:00
(受付 13:00〜)
場所:福井県立大学福井キャンパス 交流センター3階 多目的ホール
講師:本田秀夫 先生
(信州大学医学部附属病院 子どものこころの診療部)
定員:150名
参加費:500円(資料代として)
※詳しくは
スクラム福井HP 研修会のご案内
をごらんください。
○平成27年度 子どもの心の診療医 養成研修
平成25年度にスタートし、
多くの皆様から好評をいただいた
「子どもの心の診療医養成研修」を、
今年は、ステップアップ研修として充実した内容で実施します。
≪症例を交えた講義≫
ステップアップ研修として実施するものです。
昨年の基礎講座を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。
【学童期】
日時:平成27年9月19日(土) 18時〜20時30分
場所:福井県国際交流会館 第1・2会議室
定員:80名
内容:講義 福井大学医学部附属病院小児科講師 川谷正男先生
学童期に発症しやすい症状・特性、その対応について
症例を通じて紹介します。
支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜
【成人期】
日時:平成27年11月8日(日) 9時30〜12時
場所:福井県自治会館 201研修室
定員:80名
内容:講義 福井大学子どものこころの発達研究センター
特命教授 小坂浩隆先生
成人期に現れる二次障害に伴う不登校、ひきこもり等の
問題行動や就労支援について症例を通じて紹介します。
支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜
≪実践講座≫
3年目のステップアップ研修会です。
昨年の症例を交えた講義を受けられた方はもちろん、そうでない方も
受講できます。
【講義2】
<嶺北>
日時:平成27年10月25日(日) 9時〜12時
場所:福井県立大学 共通講義棟大講義室
定員:120名
<嶺南>
日時:平成27年10月24日(土) 18時〜21時
場所:プラザ萬象 第3会議室
定員:40名
内容:講義「子どもの診療をめぐる家族の見立て」
講師:東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野 本多奈美先生
支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜
【講義3】
<嶺北>
日時:平成27年12月12日(土) 18時〜21時
場所:福井県国際交流会館 第1・2会議室
定員:120名
<嶺南>
日時:平成27年12月13日(日) 9時〜12時
場所:ニューサンピア敦賀 気比の間
定員:40名
内容:講義「医師のための親ガイダンス研修」
〜ペアレントトレーニングを通して〜
講師:山形大学医学部看護学科教授 横山浩之先生
支援機関紹介 〜地域で活用できる支援機関〜
≪公開講座≫
どなたでも参加できます!
発達障害について一緒に考えてみませんか!!
日時:平成27年9月12日(土) 13:30〜16:00
場所:福井県済生会病院2階研修講堂
内容:講演会 第1部 「まだまだあたし研究中」〜当事者の立場から〜
講師:小道モコ氏
第2部 「自閉症スペクトラムとコミュニケーション」
講師:京都児童福祉センター 児童精神科医 門眞一郎先生
お問合わせは 福井県障害福祉課 もしくは 福井県医師会 まで
福井県障害福祉課0776-20-0634 福井県医師会0776-24-0387
○2015ふくい障害者雇用促進セミナー
主催:福井労働局、ハローワーク、福井県、
福井市、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構福井支部、
福井障害者職業センター
日時:平成27年9月17日(木) 13:30〜15:30
場所:ユー・アイふくい 1階多目的ホール
参加費:無料
内容:障害者雇用優良事業所・優秀勤労障害者伝達表彰
障害者雇用優良事業所事例発表
座談会
「障害者雇用から学ぶこと」
(株)イワイ 代表取締役 岩井保之 氏
聞き手:
(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構福井支部
福井障害者職業センター
主任障害者職業カウンセラー 伊藤富士雄 氏
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修のご案内
をごらんください。
〇平成27年度療育研修会
主催:福井県こども療育センター
日時:平成27年10月10日(土)
午前の部 9:30〜12:00(受付開始 9:10)
午後の部 13:00〜16:30
場所:福井県立看護専門学校4階 多目的室
午前の部:公開講座
「自閉症の特性とフレームワークを活用した支援」
午後の部:基礎セミナー
「フレームワークを活用して自立を支援しよう」
講師:水野敦之 先生
自閉症教育・支援コンサルタント
(社)つつじ
広島県発達障害地域支援体制マネジメント事業地域支援マネジャー
児童発達支援センターぐるんぱ 総括ディレクター
対象:保護者および関係機関の職員
午前(主に保護者向け)・午後(主に関係者向け)
定員:午前100名 午後40名
参加費:無料
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修のご案内
をごらんください。
〇福井県自閉症支援トレーニングセミナー2015
主催:社会福祉法人 足羽福祉会
日時:平成 27年10月24日(土)〜25日(日)
場所:足羽福祉会 法人本部 研修センター
講師:
岩井栄一郎 氏(立命館大学)
内田彰夫 氏(合同会社 ぽると 代表)
山口舞 氏(障害者交流センター野坂の郷)
対象:福井県在住またはお勤めの方で
自閉症児者への支援に携わっている方
定員:18名程度
参加費:15000円(資料代含む)
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修のご案内
をごらんください。
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【その他のお知らせ】
○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。
※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。
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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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