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スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 8 Jan 2016 18:00:02 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.44
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井大学附属病院子どものこころ診療部 臨床心理士
児童通所支援事業所 わっくる 梅田 亜沙子 先生 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ


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新年あけましておめでとうございます。
みなさんはお正月を
どのように過ごされたでしょうか。

1月に入って1週間が過ぎ、
お仕事のウォーミングアップも
十分に出来たころではないでしょうか。

明日からも気持ちのエンジンフル稼働で
ご家庭・職場と
いろいろなことに
取り組んでいきたいですね。


それではメールマガジン スクラムネット、
44回目のリレーエッセイは

福井大学附属病院子どものこころ診療部 臨床心理士
児童通所支援事業所 わっくる 梅田 亜沙子 先生 より
お送りさせていただきます。


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【リレーエッセイ】

福井大学附属病院子どものこころ診療部 臨床心理士
児童通所支援事業所 わっくる 梅田 亜沙子



みなさま、始めまして。
今回は、臨床心理士の梅田亜沙子が
担当させていただきます。

私は、福井生まれの福井育ちで、
親戚もほとんどが福井県内にいる、
生粋の福井県民です。

大学の心理学科を卒業し、
そのまま大学院に進学、
臨床心理士の資格を取得後、
“こどもの発達に特化したい”という希望から、
連合大学院の博士課程(浜松医科大学校)へ進学しました。

愛知県豊橋市こども発達センターで
仕事をしながら大学院に通い、
4年間の修業の後、福井に戻り、
現在の職に就きました。

今年度からは、友田先生、松崎先生のお誘いのもと、
こどもの心診療部でも、
非常勤で仕事をさせていただいています。


現在、私のメインの仕事は、
福祉サービスの枠の中で、
発達に気がかりさがあり知的に遅れのない子、
いわゆるグレーゾーンのこどもを対象に、
集団活動の中で必要になる
ソーシャルスキルや
コミュニケーションの練習を
お手伝いすることです。

こどもたちには、
『かっこいい1年生になるために勉強するところ』
『道徳や学活の塾だよ』と説明し、
『自分の通っている学校以外に、お友だちを作ってみよう』と
お誘いしています。

多くの場合、
本人に困り感はなく、
まわりが困っており、
医療機関から紹介されていらっしゃいます。
発達にアンバランスさがあるという、
この目に見えない問題を、
いかに本人に伝え、
受け入れてもらうかは最大のテーマです。

「発達障害だから・・・」と、
言い訳の切り札にされてしまっては困りますし、
あきらめる理由にされてしまっても困ります。
見栄をはり、
背伸びしたい盛りのこどもたちが、
自分のできていないことに向き合うということは、
本当に酷なことだとも思います。
しかし、
得意なことと苦手なことのあいだの差が大きく、
このギャップに一番振り回されているのは、本人たちです。

優秀な指導者は、
相手に“できる”と信じこませることができると
聞いたことがあります。
能動的な探求は、
自分を守り育てるための根源的な欲望であり、
これをどうひき出すか・・・カッコイイことへの憧れが、
こどもたちに力を与えてくれると信じて、
『君にもできるよ!』というメッセージを伝え、
苦手なことに向き合う背中を支えていきたいと思っています。

臆病な子の好奇心が顔を出す瞬間、
不器用な子が懸命に試行錯誤している瞬間、
こどもたちの自尊心に触れている気がします。
臨床心理士として、この瞬間が好きです。


しかし、
この発達と言う分野には、正解がありません。
支援者として、進むべき道が分からなくなる時もあります。
私たちは、正解のない道をただ、
こどもの可能性を信じて進んでいくしかありません。
恩師の『ASDの支援がしたいなら、
(症例を共有する)数をこなすことだ!』
『ASDの支援者なら、
こどもから成人まで対応できて、やっと一人前だ!!』
という教えを胸に、
ASDの支援を志す者として、
こども〜成人まで、
知的に重度の遅れがある方〜知的能力の高い方まで
対応できるようになりたいと思い、
いろいろなところに出向いて研鑽を積む毎日です。

療育はチームです。
決して1人の力で行えるものではありません。
その子をとりまく、たくさんの人の協力があって、
はじめて成し得ることだと考えています。
また、
療育に依存することなく、
地域で生活していくための1つの支えとして
“療育”が機能して欲しいとも思います。
多角的な視点からの評価と支援を実現するために、
是非、是非、連携していきましょう。
福井に療育仲間をたくさん増やしていきたいと思っております。
質にこだわるASDの支援者仲間が1人でも増えますように・・・
研修会などでお会いすることがありましたら、
気軽に声をかけて下さい。



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【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:5歳児の発達障害の男児です。
かけっこの時に1番に執着し、
友達に途中で追い抜かれたり、
結果的に1番でないと
座り込んで大声で泣いてしまいます。

また、
じゃんけんで負けたりしても、大声で泣き出します。

勝負にこだわるのですが、
どのように対応したらよいでしょうか。



A:子どもが
頑張って1番になる
という向上心は大切なことですが、
そのお子さんは
1番でないとだめなのだ
という考えに陥っているのではないでしょうか。

一般的には、
1番になると、あるいは勝つと、
「良くできた、よく頑張った」とほめられるので、
1番になることは良いことなのだろうと思うようになります。
ほめられることで
「1番になろう、また勝ってみせるぞ」という気持ちが強められます。
ただ、
子どもの心の中に、
1番以外はだめなんだ、
2番は頑張ったことにならず、1番以外は認められない
という気持ちが形成されることもあります。

この子どもの思い込みを変えていかなければなりません。


1番になるときもあるが、2番になることもあるし、
場合によってはビリになることもある。
1番でなくても、3番でも、ビリでも
自分で頑張って走ったと言う思いがあれば、
「やった!」という達成感を持つことが出来ます。

しかし、
1番になることは良いことという思いが強いと、
2番は良いことではないので、許せない気持ちがわき起こり
どうしてよいかわからず、
大声を出して騒いでしまいます。

じゃんけんの時も同じで、
勝つことが良いことと思っていると、
負けることはだめなことになってしまいます。
この思い込みを変えていかなければなりません。

そのためには、
日頃から好ましい行動に注目して
ほめるようにすることです。

2番でも、ビリでも
本人が一生懸命頑張ったことを
ほめて頂きたいと思います。

特に
何気ないところで気づいた行動をほめるように心がけて頂くと、
「良いこと」の多様性分かるようになります。

定型発達児は、1番=良いこと
というような偏ったものとして考えるのではなく、
「良いこと」の中に
いろいろなことが含まれていることが分かっているので、
自分の気持ちを整理しながら頑張ることが出来るのです。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成28年
1月13日(水):敦賀(あいあいプラザ)
1月14日(木):勝山(すこやか)
1月15日(金):福井(福井市保健センター)
2月28日(日):小浜(サン・サンホーム)
3月9日(水):敦賀(あいあいプラザ)
3月10日(木):大野(スクラム奥越事務所)
3月11日(金):福井(福井市保健センター)

各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。
(大野開催時のみ10:00〜15:00の
フリータイム制となっております)

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
をごらんください。



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
「子どものこころの発達」にかかわる
脳内ホルモン「オキシトシン」の効果を
MRI検査で確認する研究をしています。

※詳しくは
スクラム福井HP 子どものこころの発達研究センターより を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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