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スクラムネット [目次に戻る]

スクラムネット メールマガジン

  • Date: Fri, 2 Dec 2016 18:00:01 +0900 (JST)

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メールマガジン スクラムネット No.55
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【配信元】福井県発達障害児者支援センター スクラム福井 




【もくじ】
1..... リレーエッセイ
福井県障害福祉部障害福祉課
森本 雅裕 課長 より

2..... 保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント

3..... セミナー・研修会などの案内

4..... その他のお知らせ



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



師走に入り、
お忙しい日々を過ごす方も多いのではないでしょうか。

今年も残すところ、
あとわずかです。
皆さん、今年はやり残したことはございませんでしょうか。

早く大掃除を済ませて
清々しく新年を迎えたいものですね。


それではメールマガジン スクラムネット、
55回目のリレーエッセイは

福井県障害福祉部障害福祉課
森本 雅裕 課長 より
お送りさせていただきます。


◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆


【リレーエッセイ】

福井県障害福祉部障害福祉課
課長 森本 雅裕


このメールマガジン『スクラムネット』ですが、
早期発見、早期支援を行うために、
保育士等の支援者をサポートするための取組の1つとして、
平成24年6月からスタートしました。


当時、保育所の皆様からは、
接し方がわからないときの対応方法を求める声がありました。

この要望に応え、
現場からの質問や実例をもとに、
具体的な接し方をお伝えしようと、
毎月、幾つかの事例を送り届けるメールマガジンという形で
ご提案させていただいたことが
「スクラムネット」のきっかけです。



今回で、
創刊号(平成24年6月)から55回目となります。

ご登録いただいております方は
10月現在で約550名になりました。

保育士や学校の先生、福祉・保健・医療関係の皆様をはじめ、
分野を問わず、たくさんの方が読者となっていることに対し、
大変うれしく思っております。


創刊当時から
1.発達障害の研究、支援に携わる方を中心としたリレーエッセイ
2.	保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント
3.	研修会やセミナー等のご案内
といった内容でお送りしております。

リレーエッセイにつきましては、毎月、
執筆いただいた方の紹介でつないでいく形で続いてきました。
執筆いただいた皆様方にはこの場をお借りして、お礼申し上げます。



今回ですが、
スクラムネットの委託者である
県障害福祉課(課長 森本)が担当をさせていただきます。



発達障害者支援法については、
施行から10年が経過し、
支援の一層の充実を図るため、
法改正(平成28年8月施行)されました。

支援の対象となる発達障害者の定義の見直しや、
国、自治体に発達障害者への対応や配慮が追加されるなど、
全般にわたっての改正となっております。


法改正により、
発達障害者の家族等への支援(13条)として、
適切な対応等をするための情報提供や
家族が互いに支えあうための活動の支援が規定されました。


この支援を充実させる1つの方法として、
ペアレントメンターの活動があります。


皆様はペアレントメンターを御存知でしょうか。

ペアレントメンターとは、
発達障害のある子供を育てた経験がある保護者等が、
同じように発達障害の診断を受けた子供をもつ保護者等に対し、
自身の子育ての経験から相談に応じたり、
有益な情報を提供したりするボランティア支援者です。
ペアレントparentは親、
メンターmentorには信頼のおける相談相手という意味があります。


ペアレントメンターの役割は
1.同じ親として仲間の子どもの障害理解や障害受容への支援を行う。
2.発達障害とそれに関連する情報の提供を行う。
3.地域の社会資源に関する情報の提供を行う。
4.専門機関での相談のきっかけ作りとなるよう可能な範囲での支援を行う。
とされています。

福井県においては、
ペアレントメンターの養成研修を行い、
これまで、59名の方を養成しております。

主な活動の場としては、
スクラム福井が主催しております、「ちち☆ははサポートクラブ」
(発達障害の子どもを育てる親御さんの集まりで、
自由に語り合い、情報交換ができる場)への参加となります。
また、
依頼に応じて講演も行っております。



発達障害者の支援には、
保護者の方々の障害への理解が重要になります。
ペアレントメンターのような家族支援のための人材を養成し、
活動の場を広げ、支援体制を充実させていきたいと考えております。



さて、
今年も残すところわずかとなりましたが、
今年は障害のある方々にとって、
大きな転機となる年でした。

4月からは、
障害者差別解消法が施行され、
5月には制度充実を図るため、
発達障害者支援法と障害者総合支援法の改正法案が成立しました。
さらに、
9月にはブラジルでパラリンピックが開催され、
障害者スポーツへの関心が高まったところです。


障害者差別解消法については、
我が国が、国連で採択された障害者権利条約を
批准(141番目)するにあたり制定されたものです。

県では、法の内容について、
新聞・広報誌への掲載や、
事業者への説明会等を行うとともに、
県職員の対応要領を策定し徹底を図ってきており、
今後とも、関係機関とともに、
「不当な差別的取扱いの禁止」、
「障害者への合理的配慮」に努めていきます。


また、平成30年には本県において、国体と
「福井しあわせ元気大会(第18回全国障害者スポーツ大会)」が開催され、
さらに、その2年後には、
東京オリンピック・パラリンピックもあり、
障害者への理解促進やバリアフリー化の進展が期待されます。



今後とも、障害の有無によって分け隔てられることなく、
相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、
各種施策等を推進していきたいと思いますので、
皆様方のご理解とご支援等をお願い申し上げます。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆



【保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイント】

続いてお送りするのは
保育士のための事例で考える発達障害児へのワンポイントです。

園でのいろいろな活動のなかで、
保育士さんたちが気がかりになることも多いと思います。
具体的な支援法を身につけるために、
さまざまな事例を学習して取り込んでいくことも大切です。

以下事例を参考に、少しでもお役にたてていただければと思います。



Q:運動会や授業参観日など、
いつもと違う行事になると、
不安が高まって泣き出してしまう園児がいます。

ほかの先生と交代しながら、
その場にいるお母さんと
声かけを続けるのですが、
そのまま教室の隅でうずくまったり、
お母さんにしがみつくなどして、
うまく授業に参加できません。

どうすればいいのでしょうか?



A:活動全体に注意を配りながら、
園児やご家族にまで
気を配るのは
とても大変ですよね。

当日になってから
あわてて園児の困りごとに対応するのは
とても大変なので、
できる限り前日までに
起こり得るトラブルなどを
予想しておきたいですね。



園児が多くの視線を気にしていたり、
いつもと違う音や音楽に過敏に反応している可能性もあります。

事前にお母さんに事情を説明して
支援グッズを身に着ける体験などをしておくと
良いかもしれません。


園児が教室の隅に行く理由は
多くの視線から逃れたり、
大きな音から離れるなど
感覚過敏が影響している場合もあります。

小さめのついたてを用意したり、
帽子をかぶってもらったり、
フレーム太めの眼鏡を使ってみるなどして、
視覚的な情報を少なくするのも良いかもしれません。

また、
イヤーマフを着用して
音の情報を少なくすることで、
園児が落ち着きやすくなる場合もあります。



こうした支援グッズの使用については
ご家族の理解も必要になってきますので、
十分に話し合ったうえで
検討してみてください。



園児が泣き続けるなど
パニックになったときには、
先生から一方的に声かけを続けても
余計に園児の不安を高めることになるので、
声かけは必要最小限に、
タイミングを絞って行いましょう。

声かけのタイミングは活動が切り替わる場面でよいと思います。

また
「頑張ろうね」と
本人に声かけするよりは、
「くまさんマークのところで座ってね」
などと
具体的な行動を伝えたほうがよいでしょう。

もし、園児が活動の様子を見るなどして興味を持ってくれたときには
「こっちに来てくれるとうれしいな」などと
先生の気持ちを
前向きな言葉で園児に伝えましょう。

「参加しないとダメだよ」とか
「こっちに来てくれないとお母さんが泣いちゃうよ」などと
否定的な言葉は使わないようにしましょう。

また
園児の身体を引っ張ったりして
無理に活動に参加させるのは
やめましょう。
そのときは活動に参加できたとしても
今後の活動やほかの場面で悪影響がでるかもしれません。

無理にお母さんから引き離すよりは、
お母さんにも協力してもらって、
お母さんと一緒にしばらく活動の様子を見たり、
お母さんが楽しんでいる様子を
園児に見てもらったりしましょう。

安心基地であるお母さんが活動を楽しんだり、
肯定的な態度になってくれると
園児も安心しやすくなります。

園児がおうちに帰ったあとも
できる限りお母さんから園児をほめてもらえるように
お伝えしておきましょう。


ほかにも、園児の不安を減らす支援グッズとして
スケジュールボードを作成することもあげられます。
スケジュールボードを使って当日の流れを
クラスのみんなと一緒に確認しておくのも
良いと思います。

先の見通しが持てれば
パニックにならないこともありますよ。
いろいろと支援グッズを利用してみてくださいね。



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【セミナー・研修会などのご案内】

それでは
今後開催予定のセミナー・研修会予定の情報について
お知らせいたします。



○ちち☆ははサポートクラブ
スクラム福井では、
発達障害のお子さんを育てられている親御さんたちの集まりを
定期的に開催いたしております。

日ごろのお子さんの様子や子育ての悩み、
保育所や学校のことなどを語り合う場を提供し、
親御さんの仲間づくりのお手伝いができれば・・・
と思っています。


主催:福井県発達障害児者支援センター スクラム福井

平成29年
1月11日(水):敦賀(あいあいプラザ)
1月12日(木):勝山(すこやか)
1月13日(金):福井(福井市保健センター)
1月18日(水):坂井(霞の郷)
1月28日(土):小浜(小浜市サン・サンホーム)
3月8日(水):敦賀(あいあいプラザ)
3月9日(木):大野(結とぴあ)
3月10日(金):福井(福井市保健センター)


各会場とも10:00〜12:00までのお時間となります。

※詳しくは
スクラム福井HP ちち☆ははサポートクラブ
を、ごらんください。



○青年成人期の発達障がい
〜社会で活躍するために〜
主催:福井県、福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
日時:平成28年12月10日(日) 13:30〜16:30
場所:福井県立図書館 多目的ホール

内容:以下関係機関、当事者の方より30分ずつの講演
福井労働局
企業で働く当事者
当事者のご家族
福井障害者職業センター
スクラム福井

参加費:500円(資料代として)

※詳しくは
スクラム福井HP 研修会のご案内
をごらんください。



○講演会「子ども虐待と脳科学」
主催:子どもの虹情報研修センター
日時:平成29年1月17日(火) 13:00-16:30
場所:子どもの虹情報研修センター(神奈川県横浜市)

講演:友田明美 先生
(福井大学子どものこころの発達研究センター)
対象:子どもの虐待防止に関心のある方

参加費:無料
定員:200名
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



○メンタルヘルスの集い
第31回日本精神保健会議

主催:公益財団法人日本精神衛生会
日時:平成29年3月4日(土) 10:15-16:00
場所:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11F)
(東京都千代田区有楽町) 

特別講演:「子どものぎゃくたいと脳科学」
講師:友田 明美 先生
(福井大学子どものこころの発達研究センター)

フォーラム:「子どもをめぐるみんなの課題
〜虐待の連鎖を断ち切る〜」

参加費:無料(事前予約不要)
定員:600名
※詳しくは
スクラム福井HP 他機関の研修会のご案内
をごらんください。



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【その他のお知らせ】

○MRI検査の母とお子様の協力者を募集
福井大学子どものこころの発達研究センター
(福井大学医学部附属病院)では、
子育て中の『お母さん』か?
意図せす?とも発揮している『脳の働きの不思議』を
MRI検査で調へ?る脳科学研究への参加者を募集しています。 

※詳しくは http://tomoda.me/resources/Youikunou_MRI_recruit.pdf を
ごらんください。



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発行 福井県発達障害児者支援センター スクラム福井
お問い合わせ info@scrum-fukui.com
ホームページ http://scrum-fukui.com/
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